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ライブレポを書いてます
by arukara
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10月後半
さて10月後半です。

この文章を書いているのは、1月20日
ちょうど3ヶ月前にお知らせをHPで告知させてもらいました。

近況でまとめてしまえば、『色々あったけど元気でやってますよ』というのが大筋のところですが、ツアーファイナル前に少し文章を書いてみたく思いましたので、お時間ある方は読んでみてください。長くなるかもしれません。

3日前、1月17日は関西の人からすると忘れ難い日でした。
23年前のその日は阪神大震災。
のはずが、すっかり私はそのことを忘れておりました。
アルカラに向けて、バンドに向けて、ツアーファイナルに向けて、人生について、考えることが沢山あり考えまくっていたのです。
細かくは割愛しますが、下上と稲村が出会ったのは震災がきっかけ。
自分の人生において、ある意味最も重要な日かもしれません。

ただ、すっかり忘れてました。
忘れているというよりかは、たくさんの事に夢中になっている時間が長かったので、気にかける余裕がなかったのかもしれません。


忘れるということは、基本的には悪いことのように思われがちです。

ただ、夢中になる事、熱中することによって周りの景色が見えなくなる。
忘れているというか”一旦それを置いている状況のようなもの”というのが、その状態に一番近かったように思います。

思えば1995年のその時は、ボランティア活動などをしながら震災のことを忘れようと必死だったのかもしれません。

当時は、学校が仮設住宅になったり友達が亡くなったり、また別の友達の家は倒壊して、仮設住宅暮らしを余儀なくされたり。

まだ中学生だった私は、ボランティア活動を通じて人の為に何かをする事を学ぶというよりは、気づけば熱中していて、とにかく行動していたように思います。

夢中になって行動する事。
それにはある意味”無意識”のうちに、少しずつ成長し一人の人間として育って成熟してゆく。
そういう効能がある事を、のちのち実感しました。(その時は必死でわからなかったけど)


その経験は、すごく今も心の中に残っています。

自分の教訓として何があっても立ち止まるんじゃなく、まず行動する事。
そして動き続ける事、それが何よりも大事だと。

これは、下上にとっての真理であって皆に当てはまる事ではないのは重々承知です。
ただ、過去を振り返って傷つく人もいます。
振り返る事によって毎回立ち直れないほど傷つく人も中にはいます。

そういう人は、忘れるべきだと今も思っています。
忘れることができるのは、人間の素晴らしさのひとつのように思います。

世間は忘れるべきではないかもしれないけど、個人では忘れるべき事はあると思います。
立ち向かうべき時まで置いておけばいいのです。

震災からしばらく経った時、神戸に来た全国からのツアーバンドの何気ない一言ですごくやるせなくなった事。
現状を知らないからこそ言ってしまう、相手を思いやるが故に放った何気ない一言が、逆に地元の人たちを傷つける事。

でもそれを乗り越え、忘れさせてくれるぐらいの事や経験がたくさんあったからこそ、今の自分が形成されたとも思います。

自分が悩んだ時は、何より”動く”こと。
立ち止まって、引き籠って考え続けるくらいなら、外に出て空気を吸い、散歩して身体動かしながら考える事。
それを続けてきた37年でした。



今回の事があって、まず考えた事は”動きを止めない”事でした。

僕は稲村ほど強い人間ではありません。
『ピンチはチャンス』
本当のピンチにそんなことが思えるのは、選ばれし強い人間だけです。

僕に出来る事は、動きそして、もがき続ける事でした。

その状態を、ある意味特別な時間として感じながら、さらにツアーとしてより良いものにする事に為に集まってくれた仲間達が、本当に素晴らしかった。
こんな状態の中で、ワンマン初日のためにインスト曲を作ったり、既存曲をリアレンジしたりできるメンバーとSSGHたちは、本当に唯一無二であったと思います。

誰一人後ろ向きなメンバーはいなかった。

それは奇跡のような事なのかも。
このメンバー、そしてこのスタッフだからこそ乗り越えれた奇跡のような時間。
みんなが、ただひたすら真摯に熱中することが出来たからかもしれない。



忘れるといったところで、完全に忘れたわけではない。

COMINGKOBEのようなイベントや、神戸を訪れるその都度、思い出す感情ももちろんあります。


そもそも震災と今回の事を同列に扱う事自体ナンセンスだとも思います。
ただ、自分の中ではどちらも今のアルカラを形成する上でとても大きな出来事のように思うのです。

ツアー初日稲毛ケーズドリームの時に、みんながどんな気持ちでアルカラを迎えるのだろうか!?
と、何日も何日も考えました。

いろんなパターンの自分を想像し、メンバー目線とか、ライブハウスの人間やったらとか、15年前から知っている人、最近知った人、仲の良いバンドマン、ライブに沢山きてる人、ライブ一回も見たことない人とか、メンバーの親族とか、名前だけ知ってる人。昔は見てたけど最近は見てない人。

よくよく考えると10人いれば10人の、1000人いれば1000人の想いがあり、みんなそれぞれ違うのだ。
ピンチはチャンス思って言う人もいれば、強がりで言ってしまった人もいるかもしれない。
未だに後ろを向き続けている人だっておそらくいるのだ。
自分のように、とにかく動こうとして何かを新たに初めた人だっているかも。
強気に見えるあの人が、実は誰よりも怖がりかもしれない。

結局、全力でライブをしてみんなを熱狂で一瞬でも忘れさせてしまう事くらいしか、自分にできる事はないのだ、と思った。
乗り越えたって言う人、乗り越えてないと言う人、途中の人。
人の数だけそれぞれの想いがあるのだ。


村上春樹の小説の好きなセリフ。
”時間が多くのものを解決してくれる。時間が解決できないものを、君が解決するんだ。”

みんなそれぞれ違う想いがあると思います。
メンバーだってそれぞれ違うと、俺は思う。

みなさん、時間が解決できないものを自分で解決できるその日まで。
たくさんのいろんな想い、それを解き放てる自分に成長するように、人生を過ごしてください。


長文ありがとうございました。

2017年 10月27日 稲毛ケーズドリーム
長い人生の中でおそらくこの日を、いつでも思い出せるような気がします

10月後半_c0222904_20225004.jpg




みんないい顔だぜ。
ありがとうございました。


下上貴弘


機材車はまだまだ走る。







by arukara | 2018-01-25 19:25
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